本のリリックノート ―定型は亡命―
2025.05.30 Friday
ご無沙汰していました、本のリリックノート。
この前友人とドライブした時に
福井の歌人 俵万智さんの話題が出たことや、
月曜のラジ+のコーナーの中で俳人の種田山頭火のことを紹介したことから
定型の歌の世界に注目しています…!
そこで学生時代に出会ったこの本を思い出しました。
■小津夜景『いつかたこぶねになる日』(新潮文庫刊)

南仏・ニース在住の俳人の小津さん。
ご自身のエッセイと漢詩が結ばれ
先人たちの漢詩を今の世界に手繰り寄せています。
この本を手に取ったきっかけは装丁の美しさに惹かれたことなのですが、
漢詩に格式高いイメージをもっていた私にとっても
先人たちの感情や考え方を身近に感じられました。
また「定型」の捉え方について 印象的な言葉がありました。
起きて、食べて、働いて、寝て、といった日常の時空をいったん忘れ、抽象的な時空にワープするために、それはあるというのに。つまり定型は世間に隷属するのではなく、むしろそこから亡命する。
わたしは俳句のことを、不安定からの投企、自由へと飛翔するダンスだと思っている。
定型は五・七・五や五・七・五・七・七といったようにそこに「収める」という 少し窮屈なイメージをもっていたのですが、
定型の世界に言葉を落とし込む(この言い方ももっと開放的なものがぴったりするのかもしれませんね…)ことで
自分を現実と違う世界にワープさせる という考え方。
定型 の世界が広がりをもっているように見えてきます。今まで気がつかなかった考え方でした。
私の世界も広がった一冊です。
この前友人とドライブした時に
福井の歌人 俵万智さんの話題が出たことや、
月曜のラジ+のコーナーの中で俳人の種田山頭火のことを紹介したことから
定型の歌の世界に注目しています…!
そこで学生時代に出会ったこの本を思い出しました。
■小津夜景『いつかたこぶねになる日』(新潮文庫刊)

南仏・ニース在住の俳人の小津さん。
ご自身のエッセイと漢詩が結ばれ
先人たちの漢詩を今の世界に手繰り寄せています。
この本を手に取ったきっかけは装丁の美しさに惹かれたことなのですが、
漢詩に格式高いイメージをもっていた私にとっても
先人たちの感情や考え方を身近に感じられました。
また「定型」の捉え方について 印象的な言葉がありました。
起きて、食べて、働いて、寝て、といった日常の時空をいったん忘れ、抽象的な時空にワープするために、それはあるというのに。つまり定型は世間に隷属するのではなく、むしろそこから亡命する。
わたしは俳句のことを、不安定からの投企、自由へと飛翔するダンスだと思っている。
定型は五・七・五や五・七・五・七・七といったようにそこに「収める」という 少し窮屈なイメージをもっていたのですが、
定型の世界に言葉を落とし込む(この言い方ももっと開放的なものがぴったりするのかもしれませんね…)ことで
自分を現実と違う世界にワープさせる という考え方。
定型 の世界が広がりをもっているように見えてきます。今まで気がつかなかった考え方でした。
私の世界も広がった一冊です。